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「歯に信頼」マークの科学的根拠
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maru むし歯発生機序

 砂糖などを摂取すると,歯垢中に生息する細菌がこれを分解して酸に変え,歯垢の pH を低下させます(下図左).そこで,歯垢の pH が臨界 pH (約 5.5 )* 以下になると,歯の表面を覆うエナメル質が溶けだし(下図右)むし歯の発生のきっかけとなります.

logot * 日本トゥースフレンドリー協会ではさらに厳しい pH 5.7 を採用しています.

maru それではなぜすべての歯垢の下からむし歯が発生しないのでしょう

graph  三度の食事の時には歯垢の pH は 5.5 以下に低下します,そのたびに歯が溶けてしまったら,すべての歯垢の下でむし歯が発生してしまうことになります,しかし,このとき,歯垢の中に浸み込んだ唾液によって,歯垢中の酸が中和され pH が再び上昇するとエナメル質にリン酸カルシウムが再沈着して歯が修復され,すぐにはむし歯の発生に至らないのです(右図上).
 三度の食事の間に頻繁に間食したり,唾液の分泌量が著しく低下する睡眠の前に砂糖などを含んだ甘いものを食べたりすると歯が修復されず,ついには初期のむし歯の発生に至るのです.(右図中)
 それゆえ,歯垢の pH を低下させるようなものを頻繁に食べることが,むし歯を多発させる重要な原因となります.ことに睡眠中には,唾液がほとんど分泌されなくなりますので,寝る前に甘いものを食べると,歯垢の pH は低下したままとなり,むし歯がおこります(右図中).

maru ビペホルムの研究(下図:Gustafssonら,1954より)

graph  このように間食がむし歯の発生に重要な働きをしていることはスウェーデンのビペホルム精神病院で行われた研究で証明されています.この研究では,食事の時間に甘いものを食べたときと,食事と食事の間(食間)に甘いものを食べたときでは,むし歯の発生率が大きく違うことを示しています.右図に見られるように,トフィーやチョコレートなどの甘いものを,間食としてでなく,食事の時間だけに食べるならば,むし歯はそれほど増加しません.
 すなわち,間食には歯垢の pH を低下させないようなものを食べて,歯垢の pH 低下の頻度を下げれば,むし歯の発生を低下させることがハッキリ示されています.図から,何個のトフィー(甘いもの)を食べるかということよりも,どのように食べるかが大切なことがわかります.これは,歯垢の pH を低下させないような菓子類に特定な表示をし,食間には,これを食べることを推奨することによって,むし歯の発生頻度を低下させようとする国際的なトゥースフレンドリー協会の運動の大きな根拠の一つとなっています.
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